iOSアプリを開発する場合、通常は、最新版のXcodeを使います。アプリの動作環境はAppStore配布であれば、最新版と1つ前となることが多いと思います。
OS Xのアプリの場合、動作環境がiOSとは違い、広いケースが多いと思います。この場合も、論理的には最新版のXcodeを使っていても、Deployment Targetの設定を低くすれば、古いOSで実行可能なアプリが作れます。
しかし、現実には次のような原因で上手くいかないというケースがあります。
- Xibファイルの互換性
- Objective-Cランタイムのバージョン違いによる言語機能の違い(使ってはいけないものを使っている)
- 旧バージョンには存在しないAPIを使っている(SDKが新しいため、検出されない)
これらについて、注意深く実装するのは結構大変です。そのため、Xcodeのバージョンを下げて、古い環境を使って、SDKも古いものを使うようにします。
ここで問題があります。Macは購入時にインストールされていたOSよりも古いOSは動きません。また、複数のプロジェクトを並行していたりすると、開発環境を用意するのも大変です。
そこで、仮想環境を使います。私は仮想化ソフトが好きで、VMware, Parallels, VirtualBoxのそれぞれの複数バージョンを毎回購入なり、ダウンロードなりして、遊んでいるのですが、本格的に開発のメイン環境として使ったことはありませんでした。どこか、心の中で信用していなかったし、エミューレーションすることでのパフォーマンス低下は嫌いなためです。
しかし、今回、どうしてもOS X 10.8が必要になり、外部HDDも空いているものが無かったので、仮想環境でXcodeを本格的に使って見ました。少し、スクロールがぎこちない、キーのレスポンスの反応が僅かに悪い、などなど、ケチを付けるポイントはあるのですが、それらに対するネガティブな気持ちを封印して、数時間、使いました。結果は、満足できるものでした。目的だったOS X 10.8上での作業も正常に完了でき、USBと直接通信するプログラムも仮想環境で問題無く検証できました。これから数ヶ月、この環境で開発を続ける必要がありますので、使い物になるというのは非常に重要です。
これなら新しいMacを買っても安心ですね。新しいマシンへの物欲が沸いてきます。