FileVaultとバックアップ

FileVaultというMac OS Xの機能はご存知でしょうか。

FileVaultはホームフォルダを暗号化して保護するという機能です。この説明だけだと全然すごくない機能のように思えますが、FileVaultがすごいのはユーザーから見ると暗号化も何もしていない状態のように見え、ファイルを開くときに自動的に復号化され、ログアウトするときに、また自動的に暗号化が行われるということです。

最近、MacBookがよく売れているそうです。例えば、マイコミジャーナルの次の記事にもWindows系のパソコンからの乗り換えも目立つことが触れられています。

http://journal.mycom.co.jp/articles/2010/08/10/apple_sales/index.html

デスクトップ型に比べて、ノート型は持ち歩けることが利点ですが、紛失や盗難のときに中身のデータが抜き取られてしまうという脅威もあります。FileVaultで暗号化しておけば、仮に紛失してしまっても(したくはありませんが)中身のデータは保護されます。

最近になって、私もMacBook Airを持ち歩くようになってFileVaultをオンにしました。しかし、ここで一つ弱点が見つかりました。バックアップです。Macでのバックアップの定番はもはやTime Machineだと思います。Time MachineはOSの標準機能で、定期的にバックアップが自動的に行われるという優れものです。

しかし、FileVaultとTime Machineを組み合わせると一つ弱点があります。相性が良くないです。FileVaultの仕組みは、ホームフォルダを暗号化させてイメージファイルにして保持しますが、Time Machineでは、ログアウトしたときしか、このファイルを正確にはバックアップできないらしいです(FileVaultの警告文によると)。

この状態だと、バックアップをとるかセキュリティをとるかになってしまいます。もちろん、ログアウトしている時間が多い人は全然問題にならないと思いますが。

しかし、私の場合はむしろ、ログインしっぱなしです。一日13時間くらいはログインしたままです。なので、バックアップソフトを使いました。

ログインしているときなら、ホームフォルダはマウントされているので、これをバックアップ対象にして、バックアップ先をMac OS X Serverで管理しているネットワークボリュームに設定。後は一日一回、決まった時間に自動的に行うように設定。パーソナルバックアップの場合、ネットワークボリュームを設定したユーザーアカウントでマウントさせることもできるので、便利ですね。

外付けドライブを接続したままの人や常にネットワークボリュームをマウントしている人なら、AutomatorやApple Script、シェルスクリプトでコピーする処理を記述して、Cronで自動実行という手も良いと思います。ファイルコピーですまない場合にもこっちですね。例えば、MySQLサーバのデータとか。これについてはこちらの記事を参照してください。シェルスクリプトを書いてCronで実行してます。

特定のフォルダを定期的にバックアップしたいだけなら、お手軽です。rsyncとか使えば差分バックアップもできると思います。

しかし、少し面倒。特にネットワークボリュームのマウントなど。楽に運用したいので、バックアップソフトに頼りました。私自身はパーソナルバックアップx5(この記事執筆時点の最新版はバージョン10.6で、インターネットセキュリティバリア X6に入っています)を使っています。他にもオンラインソフトでもバックアップソフトはあります。例えば、iBackupなど。気に入るものが見つかるまで色々比較してみた方が良いと思います。

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この記事を書いた人

Akira Hayashi (林 晃)のアバター Akira Hayashi (林 晃) Representative(代表), Software Engineer(ソフトウェアエンジニア)

アールケー開発代表。Appleプラットフォーム向けの開発を専門としているソフトウェアエンジニア。ソフトウェアの受託開発、技術書執筆、技術指導・セミナー講師。note, Medium, LinkedIn
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Representative of RK Kaihatsu. Software Engineer Specializing in Development for the Apple Platform. Specializing in contract software development, technical writing, and serving as a tech workshop lecturer. note, Medium, LinkedIn

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