Combineはアップル純正の非同期処理を実装するためのフレームワークです。SwiftUIのバインディングなどでも使われています。少し分かりにくいのですが、重要なフレームワークです。
Combineが初めての方は、次の記事もご覧ください。
[clink url=”https://www.rk-k.com/archives/3937″]
Combineを使った他の例については以下の記事をご覧ください。
[clink url=”https://www.rk-k.com/archives/3943″]
この記事では、独自のデータモデルクラスをCombine対応のクラスにする方法を解説します。
ObservableObjectで独自のタイプを定義する
Combine対応のクラスを作るには、ObservableObject
プロトコルに適合させます。
値が変更されたときに、Combineを使って通知したいプロパティに@Published
アトリビューを付けて定義します。
class PlayerStatus : ObservableObject {
@Published var name: String = ""
@Published var hitPoint: Int = 100
}
@Published
@Published
アトリビュートを付けたプロパティは、Publisher
を作れるようになります。
Publisher
を作るには、$
演算子を使います。
let status = PlayerStatus()
let hitPointPublisher = status.$hitPoint
独自のタイプの変更を受け取る
Publisher
を取得した後は、sink
を使って変更されたときに処理を実行できます。
let cancellable = status.$hitPoint.sink { (value) in
// 変更時の処理
}
但し、上のコードの変更時の処理が実行されている間は、まだ、プロパティの値は変わっていません。変更時の処理の中で直接プロパティを参照すると、変更前の値が取れてしまいます。
サンプルアプリ
サンプルアプリを作りました。「Hit」ボタンでHPを減らして、「Heal」ボタンで回復します。HPが0でもHealで復活できるというめちゃくちゃな設定ですが、ObservableObject
の動きは分かると思います。
import UIKit
import Combine
class PlayerStatus: ObservableObject {
@Published var name:String = ""
@Published var hitPoint: Int = 100
}
class ViewController: UIViewController {
@IBOutlet var hitPointLabel: UILabel!
var playerStatus: PlayerStatus = PlayerStatus()
var hitPointCancellable: AnyCancellable? = nil
private func refresh(hitPoint: Int) {
self.hitPointLabel.text = "\(hitPoint)"
}
@IBAction func hit(_ sender: Any?) {
if self.playerStatus.hitPoint > 0 {
self.playerStatus.hitPoint -= 10
}
}
@IBAction func heal(_ sender: Any?) {
self.playerStatus.hitPoint = 100
}
override func viewDidLoad() {
super.viewDidLoad()
refresh(hitPoint: self.playerStatus.hitPoint)
hitPointCancellable = self.playerStatus.$hitPoint.sink { (value) in
self.refresh(hitPoint: value)
}
}
}