テックブログの英語版を作りました

テックブログですが、本サイトに再統合されました。

テックブログの英語版を作りました。

作り始めたのが2022年9月26日でしたので、完成までに2か月近くかかってしまいました。

英語版の作成に着手したときのテックブログの記事数は72件でした。当初は何もツールを使わずに自力で翻訳を進めたのですが、どうにも時間ばかりがかかってしまうということが気がかりでした。

そのようなときに、たまたま、Safariの翻訳機能を試してみたのです。不自然な部分はありますが、読み直して、極端に変な翻訳になっているところや誤訳などを修正すればある程度、使えるなという実感を得ました。しかし、Safariの翻訳機能で翻訳した結果を使うのは著作権上、問題があるのではないかという疑問が湧きました。

目次

ビジネスで利用する場合にはセキュリティと権利関係が重要

ビジネスで機械翻訳を利用する場合、翻訳する原稿が機密文章だったり、機密とまでは言わないまでも漏れる恐れがなく、二次利用されない、翻訳結果の著作権などの権利関係が明白であるということが重要です。

テックブログの英語版作成のために利用を検討した翻訳サービスは次の3つです。

  • SafariのWebページ翻訳機能
  • Google翻訳
  • DeepL

SafariのWebページ翻訳機能

SafariやiOS、iPadOSには翻訳機能が入っています。無料で利用可能です。

Safariの翻訳機能はAppleのサーバーに送信されて、翻訳結果が返ってくるシミです。個人を特定可能な情報は付与されないのでプライバシーは保護されます。しかし、機能改善を目的に2年以上、保存される可能性があるそうです。外部に漏洩されることはなくても、Apple社のサービスに利用される可能性がある以上、ビジネス目的では使用できません。

翻訳結果の著作権についても不明でした。

外国語で書かれた公開されているWebページを読むために利用するという目的では全く問題がありません。テックブログの英語版作成という目的では、公開されている記事の翻訳なのでセキュリティ面では問題ありません。しかし、著作権の部分が気になり、使用しませんでした。

SafariのWebページ翻訳機能の使い方については、テックブログで解説しています。

Google翻訳

Google翻訳も無料可能な翻訳サービスです。ディープラーニングなども利用されていて、自然な翻訳ができるという評判です。

Google翻訳の規約を探したのですが見つかりませんでした。代わりにGoogleのサービス全体に適用される利用規約があり、それを確認しました。

2022年8月10日時点の規約を私なりに解釈すると、SafariのWebページ翻訳機能と同様にGoogle社のサービス改善目的としては利用される可能性があるように解釈しました。やはり、今回の目的には合わないと考えられました。Google翻訳についてもテックブログにて解説しています。

DeepL

DeepLは無料版と有料版があります。iOSアプリやmacOSアプリ、Chorme拡張機能版などがあります。

今回、テックブログの作成に利用したのは有料版のDeepL Proです。無料版はSafariの翻訳機能やGoogle翻訳と同様にサービス改善目的で利用される可能性があります。

DeepL Proはセキュリティについては、暗号化されて送受信され、翻訳原稿も翻訳が完了次第削除されるということが規約に明記されています。また、著作権についてもDeepL Proの場合は契約者に帰属し、DeepL Proの翻訳結果を下訳として使用し、内容を適切に修正することが可能なことが規約に明記されています。

DeepL Proを使ったローカライズ作業

DeepLのWebサイトからmacOS用のアプリをダウンロードしてインストールします。次に、アプリにアカウントを設定します。

WordPressの編集画面で日本語版の記事をパラグラフ単位(ブロック単位)でコピーして貼り付けます。英語版の編集画面で日本語の文章を選択し、Commandキーを押しながらCキーを2回押します。すると、DeepLのアプリにコピーされ、すぐに翻訳結果が表示されます。

翻訳結果を確認し、使用する単語などを文脈に合わせて選択します。選択した単語に合わせて文全体の翻訳結果も修正されます。DeepLアプリ内の訳文挿入ボタンをクリックすると、翻訳結果がWordPressの編集画面に貼り付けられます。更に訳文を追加したり、日本語からの直訳ではなくても、文章の意味が通るように翻訳結果に英文を追加します。

完璧な翻訳よりも割り切り

DeepLの翻訳結果は自然な翻訳に近いという評判の通り、良い感じの翻訳になっていると思います。ネイティブの方やプロの翻訳家がチェックするとそうでもないという部分も見つかるとは思いますが、ある程度のところで割り切りました。

大手のIT企業の技術資料なども、日本語版については機械翻訳をそのまま公開していたり、Google翻訳ボタンが付いていて、閲覧時に翻訳しているものなどもあります。

完璧な翻訳を目指すよりも、英語圏のユーザーが検索でページを見つけられ、必要な情報を提供できるということに重きを置きました。ネイティブのユーザーなら変な翻訳になっている部分は自分で読み取れるだろうと思います。

不自然な翻訳だとアクセスが来ないと言われていますが、毎日、アクセスがあり、Google Search Consoleで見ても検索順位が上位になるキーワードもあるので問題ないようです。

著書紹介

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この記事を書いた人

Akira Hayashi (林 晃)のアバター Akira Hayashi (林 晃) Representative(代表), Software Engineer(ソフトウェアエンジニア)

アールケー開発代表。Appleプラットフォーム向けの開発を専門としているソフトウェアエンジニア。ソフトウェアの受託開発、技術書執筆、技術指導・セミナー講師。note, Medium, LinkedIn
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Representative of RK Kaihatsu. Software Engineer Specializing in Development for the Apple Platform. Specializing in contract software development, technical writing, and serving as a tech workshop lecturer. note, Medium, LinkedIn

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